スイスは26の州からなる連邦国家で言語はドイツ、フランス、イタリア、ロマンシュで英語が共通語となっている。面積は九州本島より少し広い程で人口は750万人である。国民の多くは都市部のチューリッヒ、ジュネーブ、バーゼルなどに集中し、そこの人口密度は1平方キロ当たり170万人で東京都と同程度である。都市部でも高層ビルは無く、周囲の景観に調和するような低い建物が並んでいる。環境保護も進んでいて、観光バスを含めて停車中のアイドリングは禁止されている。国土の60%はモンテローザ(4637m)を最高峰とする2990m級以上のアルプスの山々で占められている。美しい湖も多数点在し湖畔には多くの観光地があり、観光船などの遊覧で賑わっている。鉄道やバスの車窓からはのどかな牧場風景が拡がって見えるが、農業人口は全体の僅か9%にしか過ぎない。雨が多いので牧草の育ちが良く牛乳を原料としてチーズ、チョコレートの生産で有名である。チョコレートを世界で最初に作ったのはスイス人でカカオはガーナ等から輸入している。スイス人一人当たりの年間チョコレート消費量は10Kgで世界一である。昔のスイスは貧困国で傭兵など外国への出稼ぎに頼って暮らしていたが、近年各国の自然派志向の高まりと共に豊かな国へと移り変わってきた。国民一人当たりのGNPは世界一であり、EUには加盟せず国民皆徴兵制で永世中立国を保っている。さらに世界一治安の良い国でもあり、それらは小学校時代からの教育制度の成果に依るもので国民全体が政治への高い感心を持って暮らしている。観光以外にさしたる重工業も無く、有名メーカーと言えばコーヒーのネスレル、時計のロレックス位しか思い当たらないが、スイス銀行などの金融機関がその豊かさに貢献している。スイスは物価が高いと言われるが、スーパーで夕食に1000円相当の買い物をしたが日本と比べて大差なかった。そして観光地のウエイトレス時給が1800円と高額だからスイス人はいたってリッチである。しかしホテルやレストランの食事は質素で、食材を生かしたと言うよりは食材その物と言った料理が多い。味はお好みではあるが、総じて塩分多めでヘルシーとは思えなかった。水は何処で飲んでもOKでミネラルウオーターを買う必要はない。ガス入りのミネラルウオーターを試しに飲んだが糖分無しのサイダーと言った代物であった。ホテルのバイキング朝食でスイス特産チーズを食べ過ぎた為か、腹部不調で頻繁にトイレのご厄介になった。有料のトイレもあって1/2スイスフランのコインを入れると頑丈なドアが開いて入れるようになっている。有料無料に関わらず内部は綺麗に清掃されていた。モンブランは曇天で山頂を拝めなかったが、それ以外の場所は好天に恵まれ、念願の逆さマターホルンも撮ることが出来て二重丸のツアーであった。また氷河特急では迷い人になり慌てたが、邦人旅行者に助けられ無事にツアー復帰でき、スリルと感謝感激の旅でもあった。観光は何処も好天でないとつまらないが、特にスイスは観光地が高山なので悪天候は最悪である。ヨーロッパも異常気象が増えている昨今なので氷河も何時まで持つか分からない。天候の安定した季節を調べ、テルテル坊主にお伺いをたててから観光日程を決めるのが良い。渡航日06.6.29~7.8 10日間 |
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